Ant-Man/2015年/アメリカ/117分
監督 ペイトン・リード
脚本 エドガー・ライト、ジョー・コーニッシュ、アダム・マッケイ、ポール・ラッド
撮影 ラッセル・カーペンター
音楽 クリストフ・ベック
出演 ポール・ラッド、エバンジェリン・リリー、コリー・ストール、ボビー・カナベイル、マイケル・ペーニャ、ティップ・“TI”・ハリス、ウッド・ハリス、ジュディ・グリア、マイケル・ダグラス
2D字幕版での鑑賞です。これはイチオシ!って感じではないですが、そつなくまとまっていて面白かったですね。何かと言えばダーク、シリアスになりがちな昨今のヒーローものですが、今作はユーモアをふんだんに散りばめ、芯は残しながらもライトな仕上がりになっていて、こういうのも全然「アリ」です。蟻だけに。親子での鑑賞にも十分耐えうるというかむしろオススメしたい一本ですね。わらわらと蟻さんたちが大活躍するので虫嫌いの方は要注意ですが。
どうしてもモチーフが蟻さんなだけに、スパイダーマンを初め他のヒーローに比べるとクールな感じにはなりませんし、そのルックも含めてギリギリのラインだとは思いますが、小さくなったり元のサイズに戻ったりしながらアクションしたり、様々な蟻さんを操りながら共に戦っていくアイデアは秀逸でオリジナリティに溢れていますし、この映画のテーマとして二つの親子愛(ポール・ラッド父娘とマイケル・ダグラス父娘)がしっかりと描かれているので満足のいく仕上がりになっていました。だいたい、ぼくはこの「父と娘」って言うのに弱いんですよね。涙腺決壊案件です。
お気に入りのシークエンスは亜原子空間に落ちていくところ。万華鏡を模したような複雑な幾何学模様の美しくも深く恐ろしげなビジュアルが良かったですし、このどこまでも縮小しながら永遠に彷徨うみたいな設定、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のカーズの最期を想起させて好きでしたね。
そのうちカーズは、考えるのをやめた。 |
あと、マイケル・ペーニャ演ずるルイスの回想シーン、彼のナレーションと回想に登場する人物とが完全にリップシンクしているシークエンスは笑いました。これをエンディングにも天丼してきた演出もウマい。ただ、エンディングの方の回想シーンの字幕翻訳がかなり意訳されていたような気がしていささか首を捻りましたけれど。字幕監修はテリー伊藤さんでしたね。あ、ご丁寧に上映前にもアナウンスがありますが、ご覧になる方はエンドロールが流れ終わるまで席を立たないようにしてください。本当のエンディングと、マーベルおなじみのおまけエンディングがありますので。
さて、いよいよ来年公開の『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』に向けて熱が高まってきました。ぼくは、この一連のMCU作品、見逃しているものもいくつかあるので予習・復習を進めていきたいと思います。この世界観のクロスオーバー作品群をリアルタイムで、しかも劇場で追っていけるのって良いですよね。
ところで、あのでっかくなっちゃった蟻さん(と、きかんしゃトー○ス)は今後どのような道を歩むのでしょう。いささか心配です。
小さくなったり、ものを大きくできたりしたら世界の食糧問題は解決すると思うのです。あんかけスパの海で泳ぎたい。 |