2014年9月26日金曜日

TOKYO TRIBE



2014年/日本/116分
監督 園子温
原作 井上 三太
脚本 園子温
撮影 相馬大輔
音楽 BCDMG
主題歌 AI
出演 鈴木亮平、YOUNG DAIS、清野菜名、市川由衣、叶美香、中川翔子、佐藤隆太、染谷将太、でんでん、窪塚洋介、竹内力、佐々木心音、中野英雄、高山善廣


ぼくが初めて日本語ラップを耳にしたのは今から二十数年前、中高生の頃だったと記憶していますが、その時まず感じたのは「ダサイ!」「気恥ずかしい!」というものでした。
今では今作の原作者である井上三太のG-Pen aka Sanchama名義、「ONIDEKA SIZE」をYoutubeでヘビロテして独り、部屋でクールに踊っているくらいなのですが、この全編ラップミュージカル仕立ての「TOKYO TRIBE」を鑑賞しての第一印象で久方ぶりに、当時感じたダサさと気恥ずかしさをまずは覚えた次第です。

G-Pen aka Sanchama 「ONIDEKA SIZE」



例えばいわゆる普通のミュージカルで演者さんが音痴だったりしたらそれはやっぱり「え?」ってなるわけで、そういう意味で今作のようにラップに関して、その技巧の程度に差があるとちょっと「ううっ」となったりするわけです。ただ、染谷君の死んだ目でラップとか敬愛する窪塚洋介のフリースタイルなラップとか大好きだったりするのですが。

ところで、肝心の映画自体の総評については、大変に楽しませていただきました、ありがとうございます、と園子温監督にお礼を述べたい心境です。
悪ふざけや悪戯、下品で低劣低俗なものって(作品のクオリティによりますが)度を越せば超すほど面白いものですし、ぐるぐると画面酔いしそうなカメラワークと監督の信頼できるおっぱい及びパンチラ描写で頭がくらくらして、ある種、アトラクションのようなライド感があり大変に満足しました。

ストーリーに関してはほとんど「あ、ごめんなさい、聞いてませんでした」と言う感じでまったく頭に入ってこなかったのですが、鍛え抜かれたボディで迫力の変態オーラを放つ鈴木亮平と吹き替えなしのヌードで挑んだ清野菜名の処女性をまとった清々しい美しさを中心に、この類の映画と役どころでは安定・安心の窪塚洋介、まったく抑揚をつけず始終徹底した狂いぶりの演技でラップでもないのにほとんど台詞が聞き取れない竹内力、そして彼が演じるブッパに思う存分おっぱいを揉みしだかれる叶美香などキャスティングも抜群で、出演陣の皆さんも監督同様、この映画の製作が楽しくてしょうがなかったんだろうなという雰囲気が伝わってきて微笑ましかったですね。

賛否両論ある映画と言われるのはもっともなところなので諸手を挙げて人にお勧めできるものではないですが、そもそも園子温監督の作品で好みの分かれない映画ってないですからね。こちらもハナからそのつもりだったのが功を奏したのかもしれません。(良い意味で)くだらないんだろうなあ、と思って観にいったらホントにくだらなくて最高!って言う。

冒頭、新米警官役の佐々木心音ちゃんのおっぱいとその肉体を使って説明されるTOKYO TRIBEの勢力図のシーンが一番好きでしたね。