2016年9月30日金曜日

スーサイド・スクワッド


Suicide Squad/2016年/アメリカ/123分
監督 デビッド・エアー
脚本 デビッド・エアー
撮影 ロマン・バシャノフ
音楽 スティーブン・プライス
出演 ウィル・スミス、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン、ビオラ・デイビス、ジェイ・コートニー、ジェイ・ヘルナンデス、アドウェール・アキノエ=アグバエ、アイク・バリンホルツ、スコット・イーストウッド、カーラ・デルビーニュ、アダム・ビーチ、福原かれん

IMAX3Dにエグゼクティブシートを陣取り、万全の態勢で鑑賞に臨みました。これが功を奏して映像、音響共に迫力満点でバッチリと今作の世界観をエンジョイすることができました。テンポ良く物語は進み、“スーサイド・スクワッド”の活躍を飽きることなく、存分に楽しめたと思います。今作がその3作目となる「DCエクステンデッド・ユニバース」、『マン・オブ・スティール』ぼくの感想はコチラ)から『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』ぼくの感想はコチラ)と欠かさず劇場で鑑賞しているので、冒頭から話にも入っていきやすかったですし、前々から予告編を度々目にしていて期待が高まっていただけに前のめりで鑑賞した次第です。どちらかと言うと、DCコミックスのファンでして贔屓目も多分にありますけれど。

「悪には悪を」と言うことで、所謂ヴィランをメインキャラクターに据えた今作、そのアイデアが非常に面白いですよね。序盤のキャラクター紹介のシークエンスはスピーディかつリズム感があって、ワクワクさせてくれます。そして、なんと言ってもこの映画の肝は、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインでしょう。彼女の魅力が今作を引っ張っていると言っても過言ではありません。反対に割を喰ったのがジャレッド・レト演じるジョーカー。このジョーカー役、ティム・バートン版の『バットマン』ではジャック・ニコルソン、そして、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』では故ヒース・レジャーが演じて、それこそ主役のバットマンを喰う程の素晴らしい演技でしたが、今作のジョーカーは出番も控え目、役どころも何だか外していてイマイチ冴えないんです。どうやらその出演シーンが大幅にカットされたようですね。ジャレッド・レトはロシアまで出向いて刑務所で本物のサイコパスにインタビューするなど相当な役作りで挑んだようですが、甚だ残念ですね。

脚本も監督のデビッド・エアーが兼ねているのですが、その脚本の問題と言うより、ジョーカーの出演シーンも含めて、制作サイドの意向とレイティングの関係(全米ではPG-13)により編集段階で大幅なカット及び追加撮影などがあったようで、ちょっと肩すかし的な印象と、お話し的にもしっちゃかめっちゃかに感じる部分があるのは確かです。モチーフとしてはR指定にもぜんぜんできるくらいの内容ですからね。ぼくとしては、もっとダークにハジけたジョーカーやハーレイ・クインとエロ・グロ、ヴァイオレンスを観たかったなあとの思いはありますし、いささかもったいない作品になっちゃったかなと言う気はします。あと、ヴィラン達が立ち向かう、今作での本当の“敵”がイマイチしょぼいんですよね。顔が鉄の塊みたいなザコキャラがボコボコと湧いてきて、要のカーラ・デルビーニュ演じるボスキャラのエンチャントレスは身体をクネクネさせてながら恫喝めいたセリフを吐いたりして何だか気恥ずかしく笑える感じになっちゃってますし。

メインの主人公であるウィル・スミス演じるデッドショットが、相変わらず良いお父さんなウィル・スミスそのまんまでちっともヴィランじゃないってのも頂けませんでした。むしろ、正統派ダークヒーロって感じで、確かに請負殺人業で口を糊しているのですが、仲間想いだし、子煩悩すぎるだろ!みたいな。結局、今作で一番の“ワル”は、この“スーサイド・スクワッド”作戦の言いだしっぺであり、口封じの為なら躊躇なく部下も銃殺するし、保身の為に機密情報も渡しちゃう政府組織A.R.G.U.S.のトップ、アマンダ・ウォーラーその人でしたってオチですね。この人は引き続き「DCデクステンデッド・ユニバース」に登場しそうな感じです。そして、次作は『ワンダーウーマン』ですね。また、ひとつこれまでとは違った形の世界での活躍ぶりを魅せてくれると期待しています。ぼくも乗りかかった船ですから、シリーズの完結まで楽しみに追っていきたいと覚悟を決めております!

マーゴット・ロビーが嬉々として演じる、ハーレイ・クインちゃんのプリケツを拝むだけでも観る価値アリです。

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