2015年9月4日金曜日

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション


Mission:Impossible-Rogue Nation/2015年/アメリカ/132分
監督 クリストファー・マッカリー
脚本 クリストファー・マッカリー
撮影 ロバート・エルスウィット
音楽 ジョー・クレイマー
出演 トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ビング・レイムス、ショーン・ハリス、アレック・ボールドウィン、サイモン・マクバーニー

上映からものの数分もしないうちに突如尿意に襲われ、しかも両隣をカップルに挟まれたど真ん中の席に陣取っていたため身動きもとれず、「こ…このままあと二時間強、この尿意を我慢しなければいけないのか!」と言うまさに遂行不可能な任務が課せられた中、劇中同様ハラハラドキドキのスリルあふれる鑑賞体験でした。ちなみにぼくのイーサン・ハント(膀胱)は期待に違わずこのインポッシブルなミッションをエンドロールが流れると同時にトイレにダッシュという力技でクリアしました

それはさておき感想です。鑑賞前からぼくのTwitterのTL上ではすこぶる評判が高くシリーズ最高傑作との評もありました。このシリーズに関してはリアルタイムで全作を鑑賞していますし、ハードル高めで臨みましたが、…うん、普通に面白かったです。しかし、ぼくの中では敬愛するジョン・ウー監督の『M:I2 ミッション:インポッシブル2』こそが至高。それを超えてくる程の出来ではありませんでしたね。

なんか、『スパイ大作戦』って言うより『007』って感じだな、と言うのが率直なところ。前作までのシリーズと比較して『ミッション:インポッシブル』らしさが薄まっていたような。でも、冒頭からラストまで見せ場はきっちり押さえてあって、尿意はさておきハラハラドキドキシチュエーションは健在。見所の水中でディスクを差し替えるシークエンスは観ているこちらも息苦しくなりました。

今作、一番痺れたのはカーチェイスからバイクチェイスへと流れる一連のアクション。ぼくは割にカーチェイスって退屈で眠くなっちゃう方なんですが、このライド感は凄かったです。助手席のサイモン・ペッグがギャーギャー騒ぐから余計に臨場感がある。「シートベルトしてるか!」「今さら聞くのかよ!」のやりとりは最高ですよね。このサイモン・ペッグが相変わらずチャーミングで彼が今作のエッセンスとして非常に重要な役割を果たしたのは言を俟たないところでしょう。ベンジーで一本スピンオフを作ってもぜんぜんイケると思いますよ。

役者陣のポジショニングが良かったと思います。ジェレミー・レナーしかりアレック・ボールドウィンしかり、皆収まるところに収まってアクションし台詞をキメていました。登場人物の出入りが良いっちゅうか、バランスのとれた脚本で巧い着地点に落とし込んだ仕上がりになっています。悪役のボス、ソロモン・レーンを演じたショーン・ハリス、変な声でしたけど彼も魅力的でしたね。レコードショップでイーサン・ハントが捕獲されるくだりと最後に防弾ガラスのケースにソロモン・レーンが捉えられるシーンの対比も憎い演出です。

ところで、レコードショップであっけなく殺されてしまう女優さん、誰なんでしょう。すごく可愛くてメイン・キャラを張っても良いくらいの魅力がありましたけれど。今後、要チェックかもしれません。

レコード店の店員、調べてみたらこの女性でした。Hermione Corfieldさん。べっぴんさんですね。