Jack Ryan: Shadow Recruit/2013年/アメリカ/106分
監督 ケネス・ブラナー
脚本 アダム・コザド、デビッド・コープ
撮影 ハリス・ザンバーラウコス
音楽 パトリック・ドイル
出演 クリス・パイン、キーラ・ナイトレイ、ケネス・ブラナー、ケビン・コスナー
今回は、たぶんそういう映画なんだろうとポップコーンを抱えてコーラを飲みながら鑑賞してみましたが、まさにそういう映画で久しぶりに肩の力を抜いてぽーっとスクリーンを眺めていました。
あんまり、この手のアメリカ万歳!CIA大活躍!のアクション映画が得意ではないのでいまひとつ気持ちが乗らなかったのですが、それなりに退屈せずに楽しめました。可もなく不可もなくというのが正直な感想です。
ただ、ひとつだけどうしても許容できないファクターがあって、それはキーラ・ナイトレイなんですね。ぼくはこの女優さんが大の苦手なのです。どこがって言われると困るのですが主に顔が。そしてその表情が。見ているとすごく不安な気持ちに苛まれるのです。知ったこちゃないでしょうけれど、なにか心の中にキーラ・ナイトレイ的な闇を抱えているのかもしれません。
ストーリーは特に捻りもなく、若き日のジャック・ライアンが色々あった末にCIAにリクルートされて、巨大な陰謀に巻き込まれていき、突如めちゃんこな有能振りを発揮して立ち向かうというもので、いかにもアメリカンな感じ。
お定まりのアメリカVSロシアと言う構図で描かれており(ぼくはその辺の事情にまったく疎いのでついつい「ロッキー4/炎の友情」を思い出してしまい、なんか古くない?と感じてしまうのです)爆破テロと経済テロを同時進行で勃発させ第二次世界恐慌だ!という敵役の実業家チェレヴィンの手腕になるほどと感じつつも、ワゴン車1台に液体爆弾積んで、というスケール感にちょっと疑問符も…。
9.11の場面から物語は始まり、テロの恐怖に常にさらされているアメリカにとっては非常に切実な内容なのかもしれないですが、いまいちケネス・ブラナー演じるチェレヴィンの執念ちゅうか怨念ちゅうか動機みたいなものの根源的なところが伝わってこずあんまり緊迫感を持てなかったです。
ケネス・ブラナーは監督と二足のわらじでこの敵役を安定した味のある演技で好演していたので、何となく申し訳ないんですけれど。
俳優陣ではケビン・コスナーがかっこよかったですね。しばらく低迷していましたが、「マン・オブ・スティール」の父親役に続き渋い役どころを演じており、やっぱり年を取るとそれ相応の円熟味が出てきて良いものだなあ(※イケメンに限る)と感じました。
クリス・パインは「スタートレック」のヤング・カークでもおなじみですけれど“若き日の”とか“若僧”を演じることが多いですね。何を演じても一緒に見えちゃうところが残念ですがある意味こういう類の映画には向いてると言えなくもないです。ぼくはあんまり興味が持てない俳優さんですが。
ちょっと、んーと思ったのがアクションシーン。カメラがめちゃくちゃ動いて何やってんだかわからない。あと、編集もテンポが良いと言えば聞こえは良いのでしょうがずいぶんと荒っぽいなあと言う印象でした。ところどころ場面の切り替わりが早くて繋がりが良く分からず、ん!ってなりました。
ハリウッドのコマーシャルムービーと割り切ってしまえば普通に楽しめるけれど、もうひと工夫あると良かったかなあとは思いました。だって「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」とか「007スカイフォール」とかあるわけですし。「ボーン」シリーズとか。比肩するとなんとなく見劣りがする。
でも、たまには息抜きにこういう映画も良いです。なんとなくお正月におとそ気分で観たかったかな。もちろん、ポップコーンは欠かせない!