2014年6月25日水曜日

真夏の方程式


2013年/日本/129分
監督 西谷弘
原作 東野圭吾
脚本 福田靖
撮影 柳島克己
音楽 菅野祐悟、福山雅治
出演 福山雅治、吉高由里子、北村一輝、杏、前田吟、風吹ジュン、白竜、塩見三省

当時はブログを書いていなかったのですが、最近、テレビで放映があり、昨冬にはDVDもリリースされたようで、ムービーウォッチメンへの投稿メールを転載。

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日曜日の昼間に観てきたのですが超満席でした。

ドラマ、前作「容疑者…」は未見、原作未読、西谷弘監督の映画も一本も観たことないよ、と言うまっさらな状態で鑑賞しました。
「ドラマの映画化」「福山雅治」という二つのキーワードで普通なら即スルーなのですが、これがなんとも素晴らしかった!

まずは、撮影。すごく味のある落ち着いた色合いで夏のじっとりと汗ばんだ、でも爽やかでどことなく郷愁を誘う画作りだし、役者さんの撮り方もうまい。良いなあと思ってエンドロールを見ていると北野組でおなじみ柳島克己。なるほど!と膝を打ちました。安定感のある地に足のついた映像に見惚れました。

そして、役者陣。演技する福山雅治をほぼ初めて見たのですが、最初こそ、あのキャラクター臭の強い台詞回しに戸惑ったものの、抑揚を抑えたミニマムな演技であれだけ内面を表現するのってスゴイ!ましゃ兄スゴイ!と目がハートになってしまいました。

杏も良かったですね。日焼け具合と言い汗ばんだ肌と言いロコ感を醸し出しつつも実は東京の娘なんよ、って言う品の良さっぽいところもあり。湯川×前田吟のやり取りをマジックミラー越しに声を殺して嗚咽する場面なんか、あーやっぱり涙をこらえるとあんなに鼻水出るんだな、と妙なところで感心しました。

前田吟、風吹ジュン、塩見三省など地味ながらも渋い俳優陣が脇を固めたのも映画がぐっとしまった要因でしょう。吉高由里子もギリギリセーフなところで演出したようで浮いた感じにはなってなかったですし。

あと、忘れてはいけないのが白竜!彼が映画に登場するとつい「あ、白竜だ」と声に出してしまいますよね。昔ながらの白竜ファンとしてはたまりません。しかも今回は大変重要な役どころ。ホスピスのシーンは思わずこちらも嗚咽をこらえて鼻水が出てしまいました。

原作ありきの映画なので脚本としてもそれほど破綻しようもないのでしょうが、それでもミステリー映画の常として、うん?と思う突っ込みどころもなくはなかったですが、この西谷弘監督、この映画に関してはと言う括弧つきにしても、すごく丁寧な映画を作る人だな、と感じた次第です。

それにしてもこの映画、北野武監督「アウトレイジ ビヨンド」との共通項が白竜、田中哲司、塩見三省、撮影柳島克己と多いのですが何かの布石なのでしょうか。

※下の画像は「真夏の方程式」とは関係ありません。念のため。北野武監督「アウトレイジ ビヨンド」で暴れ狂う塩見三省さんです。