監督 山下敦弘
脚本 向井康介
撮影 芦澤明子、池内義浩
音楽 池永正二
主題歌 星野源
出演 前田敦子、康すおん、伊藤清矢、鈴木慶一、中村久美、富田靖子
DVD発売記念という事で、当時、ムービーウォッチメンに投稿したメールを転載します。ちなみに、昨年11月末の公開だったと記憶していますが2013年のぼくのランキングでベスト4に飛び込んできました。
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究極のグルメ映画でした。
鑑賞中からおなかが減ってしょうがなかったです。 ぐうぐうとおなかが鳴るのを気にしながらの78分間でした。
ロールキャベツに始まり、 秋刀魚やカレーにゴーヤチャンプルーなどなどと、 どの料理もすごく旨そうで。
年越しそばのつゆもちゃんと昆布と鰹節から出汁を取っていて、 料理好きなお父さんでしたね。
特筆すべきはお父さんの食事マナー。 くちゃくちゃずるずると口を開けて音を立てながら。 ビールやお酒もずずずっと。
お父さんのパーソナ リティーを表現する手段としては非常に有効だと思いましたし、 なぜか逆にとても「うまそうに食べるなあ」と感心しました。 娘のタマ子にもそのDNAは受け継がれているようで( 実家でのうのう暮らしている緩みはあれど) 大口を開けてたくさんほおばりもぐもぐと食べていてグッドです。
ぼくは映画の中で食事するシーンがすごく大好きなのです。
そして、山下敦弘監督。 実は彼の監督作品は初見なのですがこういう食事シーンに限らず「 生活感」を描き出すのがとても巧いなあと感じ入りました( 本作の鑑賞後、「苦役列車」をDVDで鑑賞しました。 これも森下未來が「飯を喰う」シーンが良いですね。 おもしろかった)。家の立て付けとかタマ子の部屋(学習机!)、 洗濯物とかも暮らしぶりが伺えて良かったなあ。
演技する前田敦子を劇場で観たのは「クロユリ団地」に続き、 二回目。
ぼくはアイドル時代の彼女を(ほぼ)知りませんので、 純粋に女優さんとして拝見しているのですが、 なんていうかすごくスクリーン映えする力を持った女優さんですね 。
今作では肩の力が抜けた演技で、 コメディエンヌとしても新たな才能を開花させたのではないでしょ うか。
「もらとりあむ」感がめっちゃ出てましたし、 父離れできないファザコン的な微妙な部分をしっかりと演じていま した。
あの年齢で、ああいう(失礼ですが)微妙な顔立ちで、 なおかつあれだけの演技ができるというのはなかなか比肩する女優 さんを思いつきません。
今後も大いに期待!です。
アクセサリーの先生、富田靖子でしたね!
久しぶりに見たので、振り返ったシーンで「あ、富田靖子だ」 と声に出してしまいました。
良いキャスティングで満足でした!