2014年7月10日木曜日

オール・ユー・ニード・イズ・キル



Edge of Tomorrow/2014年/アメリカ/113分
監督 ダグ・リーマン
原作 桜坂洋
脚本 クリストファー・マッカリー、ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース
撮影 ディオン・ビーブ
音楽 クリストフ・ベック
出演 トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン

今作のキャッチコピーよろしく「目覚める 働く 死ぬ」のループを繰り返す毎日を過ごしているぼくですが、それはともかくIMAX3Dで鑑賞してきました。IMAXはさすがの迫力でしたが3Dの効果はいまひとつよく分からず。

鑑賞後、興味をそそられて復習がてらにKindleで桜坂洋の原作小説と小畑健画によるコミックを読んでみました。三者を比較すると結論としては漫画版が一番面白かったわけですが、なるほど、今回のダグ・リーマン/トム・クルーズによる映画化はいわゆる「ハリウッドSF超大作」という括弧つきの娯楽作としてうまく原作の設定を借りる形で肩ひじ張らずに楽しめる作品として仕上がっていたのではないかと思います。

途中、大安売り的に繰り返されるループに若干の間延び感は覚えたものの、ストーリーはテンポ良く運び、あのスーツには一抹のダサさを覚えながらも、躍動感に溢れていてアクションも爽快。
なによりラストは断然、今回の映画版のほうが好きでした。そして、このラストを下支えするのが、なんといってもトム・クルーズの存在です。どんな作品であれトム・クルーズ的に苦悩し、トム・クルーズ的にアクションし、トム・クルーズ的な笑顔で締める。ごちそうさまでした!と言う他ないですね。
もし世界が100人のトム・クルーズだったら退屈しなくてすみそうです。どんな鬱映画でも、今作のラストのワンシーンを持ってきたらコペルニクス的転回で良質なポップコーンムービーになりそうです。

最強の女戦士、戦場の雌犬ことリタ・ヴラタスキを演じるエミリー・ブラント(奇しくもなのか狙ってのキャスティングなのか「LOOPER/ルーパー」でもヒロインを演じていました)も抑揚のある演技で良かったです。予告編でも流れる「Come find me when you wake up !」と言うシーン、好きです。二人ともSFが良く似合いますね。

ぼくは、こう言ったいわゆるループものや時間・記憶などが設定に絡んでくるお話が好物でして、しかも性格上、細かいことは気にしない性質なので、あれこれとあらを探したり頭を悩ませたりせず「へえ。そういうものなんだ」と前のめりにうなずきながら屈託なく楽しませていただいた次第です。

冒頭に書いたようなループを抜け出して、一年に一本くらいはコーラを片手にポップコーンを貪りながら出来の良い(あるいは出来の悪くない)トム・クルーズ主演の娯楽映画を観て楽しい時間を過ごしたいものです。