Terminator Genisys/2015年/アメリカ/126分
監督 アラン・テイラー
脚本 レータ・カログリディス、パトリック・ルシエ
撮影 クレイマー・モーゲンソー
音楽 ローン・バルフェ
出演 アーノルド・シュワルツェネガー、エミリア・クラーク、ジェイ・コートニー、ジェイソン・クラーク、イ・ビョンホン、J・K・シモンズ
2D字幕版での鑑賞。ラスト、シュワちゃん演じるT-800が親指を立てながら溶鉱炉に沈んで行くシーンは感動に咽び泣きました。
それはさておき、今作のようにタイムマシンが使えるのであれば上映開始前に戻って自分自身に「こんな映画を観てる暇があったら、後30分待って最終回の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』をもう一回観るんだ!」と肩を揺さぶりながら必死に説得したいところです。
既存のシリーズでは『ターミネーター』『ターミネーター2』の両作品を鑑賞しており、それも折に触れ何度か観返すほどに好きな作品ですが、その後についてはあまり良い評判を聞かなかったこともありスルーしていました。そこで、本当に久方ぶりに新たなターミネーターの世界に触れたわけですが、びっくりするくらいエキサイトしなかったです。なーんでこんな小難しい話になっちゃったかなと。タイムパラドックスものとか時間や記憶をモチーフにした作品って映画に限らず割に好きなんですけれど、今作に限っては終盤もはやどうでもイージャネーカーになってしまいました。
敵役の新型ターミネーターT-3000も、どうも魅力に欠けますよね。『2』でT-1000を観たときはロバート・パトリックの不気味な演技と、うにょーんってなったりシャキーンてなったりと、その能力とルックの斬新さに驚き、敵ながら凄いチャームを感じたものですが、T-3000にはそう言ったフレッシュな魅力は覚えませんでしたね。演じるジェイソン・クラークも今一つ。
アクションに対して「静」の部分が多すぎるっちゅうか、説明台詞や止まった状態での演技があまりにも多いため、映画的なテンポが失われているような気がします。また、シリアス/ユーモアのバランス加減もどっちつかずで締まらない。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観た後ではもうこの類の演出では感じない贅沢なカラダになってしまったんです…。
シュワちゃんは頑張っていました。外見だけは年齢相応になるアイデアはなかなか面白くて、ご老体に鞭打つT-800もそれはそれで愛くるしいものがありましたが、やっぱり全編を通じてただの好々爺になっているのでターミネーター本来の冷酷な殺人マシーンの側面が全く見られないのも寂しい感じがします。『1』の徹底したヒールっぷり、『2』のヒールなんだけれど実は…みたいなのが面白かったんですよね。
収穫はサラ・コナーを演じたエミリア・クラーク。サラ・コナーを演じるにはミスキャストかな、とも思いましたがむちむちっとした姿形とキュートな顔立ちが自分的にはヒットでして、今後もスクリーンで拝見したい女優さんの一人となりました。結構、いろいろな役柄にはまるタイプの女優さんだと思います。
これ、三部作らしいのですけれどいかがなものでしょうか。とりあえず、シュワちゃんを使うなら逆に『1』のような徹底的に非情なターミネーターを個人的にはもう一度見てみたいですね。強張った笑顔で観客の笑いを誘うのも良いですけれど、どうせならその笑顔のまま重機関銃を片手でばりばりぶっ放してほしいものです。