2015年6月26日金曜日

マッドマックス 怒りのデス・ロード


Mad Max : Fury Road/2015年/アメリカ/120分
監督 ジョージ・ミラー
脚本 ジョージ・ミラー、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラザウリス
撮影 ジョン・シール
音楽 ジャンキー・XL
出演 トム・ハーディー、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース=バーン、ゾーイ・クラビッツ、ロージー・ハンティントン・ホワイトレイ、ライリー・キーオ、アビー・リー、コートニー・イートン、ジョシュ・ヘルマン、ネイサン・ジョーンズ

ウォシャウスキー姉弟監督の新作、『ジュピター』鑑賞後、あまりのショックでブログに感想を記すことはおろか劇場からも足が遠のいてしまい、この2ヶ月というもの1本の映画すら鑑賞していない状況でした。そんな中、いつものようにTwitterをのほほんと眺めているとタイムラインがずいぶんと喧しい。そう今作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、絶賛の嵐です。もはやお祭り状態、これは「乗るしかない、このビッグウェーブに」と言うことで、IMAX3D&エグゼクティブシートのチケットを予約、準備万端でハードルをマックスに上げて鑑賞してきました。


ヒャッハー!

…最高でしたね。こちらが高々と上げたハードルをひょいと飛び越えてなお余りある跳躍力。掛け値なしの5億ヒャッハーです。劇場へは徒歩で向かい、帰路は地下鉄でしたので事なきを得ましたが、もしも自転車、ましてや車であれば間違いなくシフトチェンジからのアクセルべた踏み、ニトロで爆発していたところでした。

胸ぐらをぐっとつかんでぶるぶるぐらぐらと脳みそを揺すられるような、これほど肉体的な感覚を呼び覚ましてくれる映画も今日日なかなかないものです。はっきり言って鑑賞後は疲れました。ぐったりです。でも、胸に残る爽快感と明日への希望!やっぱり、これですよね。

まあ、各方面であまりにも賛辞が多いのでぼくとしてのマイナス点を挙げておけば、ちょっと上映時間が長いってことですかね。あくまで体感としてですけれど。次から次へと繰り出される緊張と弛緩、怒涛の展開に着地点が目論めず、途中「あれ、このまま引きで終わるのかな…」とか思いました。最後はきっちり落としてくれたので安心しましたけれど。もし、このブログを読んだ後、鑑賞される方がいらっしゃるのであれば体調は万全に、とアドバイスしておきたいです。あるいは、ちょっとしんどい時に鑑賞すると劇場を後にするときはめちゃめちゃ元気になっているかもしれません。

トム・ハーディーが描いたマックス・ロカタンスキー像も、あの朴訥とした感じと原始人ばりの言語感覚、がちゃがちゃしたアクションを含めて良かったですし(サムズアップのシーンが最高!)、シャーリズ・セロンの新境地、フュリオサ大隊長が抜群にかっこいいです。彼女のための映画と言っても過言ではない、縦横無尽の活躍に痺れっぱなしです。
そして、ニコラス・ホルト演じるニュークスの滲み出る悲哀とユーモア。敵役のイモータン・ジョー(既に名前が超絶すばらしい)を含めて、敵も味方も毒気や癖のあるキャラクターがたくさん登場するのですが(宮崎駿作品に登場しそうな婆さん連中とか)、それぞれに深みと厚みがあり、ちゃんとサイドストーリーがあるんだろうな、設定のディティールをきちんと練っているんだろうなって言うのがひしひしと感じられて、荒廃した近未来を荒唐無稽に紡ぎだしているんですけれど、その世界の映画的リアルさがみっちりと感じられて肌身に迫る興奮を覚えるのです。

他にも火を噴くギターの無駄遣いとか、とにかく語るに尽きませんが、こうしてブログを書いている現在も、Twitterのタイムラインは大変に盛りあがっておりまして「#マッドマックスヤバい」で検索をかければその様子をうかがい知ることが出来ると思います。

ぼくは仕事帰りに観に行って割に体力を消耗し、帰宅後ばったりだったので「2回目はさすがにもう良いかな…」とその時は思ったのですが、目覚めて翌日にはもう「おかわり」気分でした。まあ実際に2度3度と足を運ぶかは別としてそんな気にさせてくれる映画にこのタイミングで巡り会えたこと、なにより御年70歳、監督のジョージ・ミラー氏に感謝です!あ、パンフレット絶対買った方が良いですよ!