2014年12月6日土曜日

西遊記~はじまりのはじまり~


西遊 降魔篇/2013年/中国/110分
監督 チャウ・シンチー
共同監督 デレク・クォック
脚本 チャウ・シンチー、デレク・クォック 他
撮影 チョイ・サンフェイ
音楽 レイモンド・ウォン
出演 スー・チー、ウェン・ジャン、ホアン・ボー、ショウ・ルオ

チャウ・シンチー監督作品は以前にDVDで「少林サッカー」を鑑賞したのみ。今作を観て改めて感じたのですが、この人のウェットな演出や、いささかグロテスクなユーモアがどうも肌に合わず、非常に娯楽性に富んだ作品だと評価する一方、苦手意識が消えませんでした。

ご存知、西遊記のエピソードゼロと言うことでアイデア溢れ、妖怪ハンター達のキャラクターも面白いのですが(空虚王子がお気に入りでした)、玄奘三蔵が旅立つまで市井の人から身近な人まで随分と人が死んじゃってなんだか重い話だな…と。あと、あんなにホモセクシャルをバカにするのはポリティカルコレクト的にどうなんだと思ったりして、鑑賞中、雑音が多かったですね。

頼みの綱の孫悟空も人間の姿をしていた時はその人物像を含めて笑える感じで良かったのですが、猿になってからは造形的にぜんぜん格好良くなくて、堺正章にシビれてその辺の棒っきれを振り回し、「如意棒!」とかやってた世代としてはちょっとがっかりでした。
沙悟浄や猪八戒のルックスもイマイチ(西田敏行と岸部シローに思い入れが強すぎるのかも知れません)。

チャウ・シンチー監督のサービス精神旺盛な持ち味で様々なファクターをたっぷりと詰め込んだ今作、詰め込みすぎか間延び感。もうちょっとテンポ良く運んでくれると楽しめたかもしれませんが、ぼくには上映時間の110分がいささか長く感じられました。

ヒロインを演じたスー・チーは石原さとみと綾瀬はるかを足して二で割ったところにスパイスを振りかけたようで大変に可愛く魅力たっぷりでしたよ。「トランス・ポーター」のあの人か!と後で知り、今後もスクリーンで観たい女優さんの一人です。