2015年2月13日金曜日

ANNIE/アニー



監督 ウィル・グラック
原作 トーマス・ミーハン
脚本 ウィル・グラック、アライン・ブロッシュ・マッケンナ
撮影 マイケル・グレイディ
音楽 チャールズ・ストラウス
出演 ジェイミー・フォックス、クワベンジャネ・ウォレス、ローズ・バーン、キャメロン・ディアス、ボビー・カナベイル

『アナと雪の女王』の感想でも触れましたが、ぼくはミュージカルが苦手なので(話していた人が突然唄いだしたり踊りだしたりするとすーっと気が遠くなる)、ムービーウォッチメンに取り上げられたためにやむなく、と重い腰を上げての鑑賞となりました。

そのぼくですらタイトルに聞き覚えのある名作の現代版と言うことで、もしかしたらと淡い期待を抱いてはいたのですが、ごめんなさい!やっぱりダメでした!

ストーリー自体は至極シンプル。それもあってか、とにかくミュージカルシーンになるとブツンと物語が分断され、そこだけ突然にミュージックビデオっぽくなっちゃうような違和感があり馴染めませんでした。

また、生歌感がないっちゅうか、もちろんアフレコしてるんでしょうけどいかにもすぎて妙に浮いている印象。そもそも、ミュージカルとしてのクオリティはどうなんでしょうか。素人のぼくには良くわかりませんが、胸を打たれるようなものは感じなかったです。ぼくの感受性に問題がある可能性は大いに否めませんけれど。ジェイミー・フォックスの歌唱力にはびっくりしましたよ。

オチもなんだか腑に落ちなかったですね。結局、アニーの本物の両親は?って言う疑問が一番大きくて…。そりゃ、あんな大金持ちの養女になれればそりゃあハッピーでしょうけれど、その裏にある深い悲しみみたいなものが描かれていない(ように感じた)ので、けっ!結局金かよ、みたいな。ジェイミー・フォックスも市長選こそ降りたものの、唸るほど金は持ってるし、グレースとアニーを一度に手に入れて超勝ち組じゃん!って。

あと、ホームレスのマッシュポテトを吐き出したり、冷蔵庫のお惣菜なんかをフライパンにをめちゃくちゃにぶち込んだ料理を作ってそれをまた吐き出してみたり、ひどい出来の朝食を犬に食わせたりとか食べ物を粗末にする描写が多くてそれがすごい不愉快でした。こういう食べ物粗末系のギャグって個人的に好きじゃないんですよね。下品だし、ぜんぜん面白くない。

全体として薄っぺらくて寒々しい、というのが僕の拙い感想の総論ですが、子供たちもたくさん出演しているし、恐らくはスタッフ・キャスト一同楽しんで一生懸命に製作されたであろう作品に対しては申し訳ないです。ごめんなさい。

鑑賞後、自転車で帰る道すがら「トゥモロー、トゥモロー」の唄声が頭の中で延々響き続け、なぜかそれを相殺するかのごとく「レリゴー、レリゴー」あるいは「走れ走れいすゞのトラック」と全く関係のない曲までが粘着質に鳴り響き、若干気が狂いそうでした。家に辿り着くころにはへとへとです。

ローズ・バーンは率直にキュートでした。ナイスキャスティング!