2015年9月19日土曜日

カルフォルニア・ダウン


San Andreas/2015年/アメリカ/114分
監督 ブラッド・ペイトン
脚本 カールトン・キューズ
撮影 スティーブ・イェドリン
音楽 アンドリュー・ロッキングトン
出演 ドウェイン・ジョンソン、カーラ・グギーノ、アレクサンドラ・ダダリオ、ポール・ジアマッティ

「見てみたい 一度でいいから 見てみたい ロデオボーイで 揺れるおっぱい」
以前にぼくが歌人の枡野浩一著『ショートソング』の読書感想として詠んだ短歌です。地震→揺れる→おっぱい、と言う実にくだらない連想ゲームをまさにこの映画で体現した娘役のブレイクを演じたアレクサンドラ・ダダリオについてまずは言及しないわけにはいかないでしょう。ぼくは初見の女優さんだったのですが、その美しい顔立ちと胸元を強調するようなタンクトップ(序盤にビキニ姿もあり)のもとで揺れるおっぱいは計測不能な規模のマグニチュードを叩き出しています。ちなみにこの揺れは予知可能です。あ、くるな…と思ったらきますので。そんなわけで週頭の月曜日に今作を鑑賞し、週末の土曜日にこのブログを記しているのですが、鑑賞後にGoogleですぐさま検索した「アレクサンドラ・ダダリオ 画像」のタブは開きっぱなし、そして映画の記憶は彼女(のおっぱい)のことで塗れており、作品そのものに大した感想は残っていないというのが正直なところです。

お時間があればぜひ「アレクサンドラ・ダダリオ 画像」で検索してみてください
ぼくは二十年前の阪神淡路大震災を被災しており、フラッシュバック的なことがあったりするのかな、といささかドキドキしながら臨みましたが、ぜんぜんそんなことはなくあくまで映画館と言うセーフティーな場所からスクリーン越しにディザスターエンターテインメントを迫力の映像と共に楽しむと言った体でしたし、(津波のことは分かりませんが)地震による建物の倒壊などの被害ががいくらなんでも現実味がなさすぎるボロボロ具合だったので、ああこれはそう言う映画なんだと自分の中でフィクションのレベルをぐっと上げて「おお、すげえ!」とドウェイン一家のサバイバルを興奮しながら見守りました。

ディザスタームービーの傑作と言うと、ぼくの中では昨年公開の『イントゥー・ザ・ストーム』が思い起こされますが、それに比べるとお話の方はすかすかで突っ込みどころ満載。ザ・ロック様の気持ち良いまでの職務放棄っぷりと、とにかく俺の嫁!俺の娘!が助かればそれで良いんじゃい!と言う奮闘の陰で数限りなく犠牲になっていく一般市民たち。何となく星条旗を映しこんで父権の復活!強いアメリカ!ファミリア!みたいなところに落とし込んでいくベタなエンディング。しかしですね、そんなことはどうでも良いんじゃん、と言うところがこの映画の肝ではないでしょうか。

ドウェイン・ジョンソンの鋼の肉体と無双の獅子奮迅、カーラ・グギーノのここ一番でのホバークラフトによるぶち込み、アレクサンドラ・ダダリオ(のおっぱい)の健気な奮闘ぶり、そしてこの一家を避けて落ちる割れたガラスや瓦礫の山、そんなこんなとやっぱりハリウッドすげえなあと感嘆する臨場感あふれる視覚効果で描かれる地震災害のあれこれ。ジェットコースターがその歴史の中でもっとスリルを!もっと興奮を!とゲストの要望に応えるがごとく進化していった様相と同様です。絶対的な安全圏の中で、現実に起こりうるかもしれないスペクタクルを味わいたいという人間の欲求を存分に満たしてくれる作品であることは間違いないでしょう。映像に関して言えば前述の『イントゥ・ザ・ストーム』と肩を並べる、あるいは超えてくる勢いの出来映えだと思います。

書いているうちに徐々に今作の記憶が甦ってきましたが、やはり不謹慎ながら“地震で揺れるおっぱい”と言うフレーズの持つ破壊力を抑えきれず、それでもご贔屓のポール・ジアマッティがいつも通り大変に可愛らしくて抱きしめたくなった旨を記して筆を置きたいと思います。

なんで~こんなにかわいいのか~よ~。