2014年6月9日月曜日

青天の霹靂


2014年/日本/96分
監督 劇団ひとり
原作 劇団ひとり
脚本 劇団ひとり、橋部敦子
撮影 山田康介
音楽 佐藤直紀
主題歌 Mr.Children
出演 大泉洋、柴崎コウ、劇団ひとり、笹野高史、風間杜夫、柄本佑


処女小説「陰日向に咲く」や同名の映画化作品、また、俳優として、もちろんテレビなどで今作が監督デビューとなる劇団ひとりについては、そのマルチな才能ぶりに折に触れ接する機会があったのですが、ぼく…苦手なんですよね、残念ながら。
気が進まない内に鑑賞したのですが、やっぱり…ごめんなさい!ダメでした!

冒頭で「ああ…大泉洋、すごい手品の練習したんだろうな…」と思ってしまい、既にスクリーンとぼくの間に距離ができてしまいました。

とは言え、週末金曜日のレイトショーは混み合っておりまして、上映中もあちらこちらで笑いが起き、温まっていました。映画が終わって劇場の灯りがついてからまわりを見渡すとハンカチで涙を拭う人もちらほら。概ね満足そうな観客の様子を捉えた次第です。

タイムスリップという仕掛けとBTTFさながらのストーリーやプロットも非常に既視感が強く、いささか力任せに誘引する笑いや涙の演出に、ある種の安心感に身を任せて90分強の時間を娯楽できるという点では変な手癖もなく初監督作品としては巧みな仕上がりだとは思います。演技も卒なくこなしますし、大変に器用な人ですよね。

回転寿しと職人さんが握るお寿司屋さんのお寿司の違いって、素材の良し悪しを除けばネタとシャリとの一体感だと思います。口に入れた時にほろりと広がる渾然さ。ぼくは、今作、素材はそこそこなのですがいまひとつばらばらとした印象を持ちました。特に昭和パートに顕著でしたが、いかにも作り込んだ絵面や脇を固める役者さんの浮いた演技、クライマックスに至っては、テレビの最終オーディションのはずがなんだか大泉洋オンステージみたいになっちゃってて、作品全体を通した色合いがちぐはぐに感じました。あと、柴咲コウはミスキャストだ思います。演技の問題以前に顔立ちが良すぎて、ああいう役は似合わないんじゃないかな。

まあ、そもそも主役の大泉洋の演技が毎度毎度、鼻持ちならないなどの極私的な理由があいまってぼくとしては残念な一本となりました。

ところで、ユリ・ゲラー来日からもう数十年経つわけですが、いまだにスプーン曲げのタネがわかりませんね。だれかこっそり教えてください。