2014年11月12日水曜日

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション


The Expendables 3/2014年/アメリカ/126分
監督 パトリック・ヒューズ
脚本 シルベスター・スタローン、クレイトン・ローゼンバーガー、ケイトリン・ベネディクト
撮影 ピーター・メンジース
音楽 ブライアン・タイラー
出演 シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、アントニオ・バンデラス、ジェット・リー、ウェズリー・スナイプス、ドルフ・ラングレン、ケルシー・グラマー、テリー・クルーズ、メル・ギブソン、ハリソン・フォード、アーノルド・シュワルツェネッガー

ここのところ、立て続けに粋で良質なアクションシーンがふんだんに盛り込まれた映画を観た為(「猿の惑星 創世記」「イコライザー」など)、アクション映画の粋を集めた豪華絢爛な俳優陣によるこのシリーズの最新作に大変な期待を寄せていたのですが、これがなんとも肩透かし。
全編これアクションなのはもちろん良いのですが、その演出と言うか描き方がなんとも平板で、そもそもストーリーもあってないようなものなので(ぼくの理解では)、いささか退屈気味の二時間強でした。
鑑賞後はその出来栄えに首を捻りながらなんともすっきりしない気分のまま劇場を後にしました。

例えば、目玉の悪役、メル・ギブソン。ワゴン車から降り立つ登場シーンひとつとっても、もうちょっとスローモーションを使うとか外連味を醸して欲しかったし、彼の過去作へのオマージュでのにんまり感もなし、最後のスタローンとの肉弾戦も拍子抜けであっさり。もうひとりの目玉であるハリソン・フォードもなんとも軽い感じで、ちょっと出過ぎ感があってありがたみがないんですね。
そして、シュワちゃんの十八番、重機関銃でのシーンも「もっとこうさあ、違うだろ!「大脱出」とか「ラスト・スタンド」みたいに溜飲を下げたいんだよ、こっちは!」と、ストレスが溜まる一方。

若いエクスペンダブルズとの世代交代みたいな目新しさはあったものの若者連中もイマイチ個性的な魅力に欠け(存じ上げない役者さんばかりでした、すみません)、のめり込めずでしたね。

唯一、終盤にちらりと語られたシュワちゃんとジェット・リーのホモセクシャルエピソードは微笑ましかったのが救い。ここは笑いどころでした!

そうそう、アントニオ・バンデラスは美味しい役どころで今作一番のホットなキャラクターでしたが、コミカルな部分が強調され過ぎて、ホントはめちゃくちゃ強いんだぜ!って言う描写がしっかり演出されてないので勿体無いなあとの印象です。これなら同じスタローンとの共演、ぼくの大好きな「暗殺者」のバンデラスのほうが余程クールですよ。あっちのバンデラスも笑える要素っていうかチャーミングな演出もありますしね。

全体的に抑揚にかけ、編集の荒さが目立ち、とっちらかったアクションシーンの連続で、なんだか文字通り俳優陣がエクスペンダブルズになってしまった皮肉な一作、と言うのがぼくの感想です。前作が非常に良かっただけに残念な一本になりました。

次回はぜひ、このところアクション映画で脂がたっぷりのっているリーアム兄さんを!