2015年10月10日土曜日

キングスマン

 

Kingsman: The Secret Service/2014年/アメリカ/129分
監督 マシュー・ボーン
原作 マーク・ミラー、デイブ・ギボンズ
脚本 ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ボーン
撮影 ジョージ・リッチモンド
音楽 ヘンリー・ジャックマン、マシュー・マージソン
出演 コリン・ファース、マイケル・ケイン、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ソフィア・ブテラ、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ハミル、ソフィー・クックソン

ちょうど5月の連休あたりにJALの機上で鑑賞した時は、まあ退屈しのぎにはなったけれどあまりピンとこないな、くらいの印象だったのですが、いざ日本での公開が始まると少なくともぼくのTwitterのタイムラインでは絶賛で大変に盛り上がっており、あれれと思って改めて劇場で鑑賞してまいりました。

なるほどスクリーンの大画面と音響で観直すとすこぶる面白さでした。退屈しのぎどころか、娯楽作品として十二分に楽しめましたし、満足して劇場を後にし、その足でブリティッシュパブに赴きビールを1パイント飲み干した次第です(ぼくはギネスが飲めないのでハイネケンでしたが)。

「威風堂々」をBGMに打ち上げられる大オチの花火大会も盛大で、この夏、ついぞ花火大会に行きそびれたぼくにとっては名残を惜しむシークエンスで、ありがとう!マシュー!と言ったところです。これに限らず、教会での大殺戮など不謹慎極まりないと不愉快に感じる向きもおありでしょうけれど、まあマシュー・ボーン監督だし、あははと笑っておけば良いのではないでしょうか。少なくともぼくはすでに1回観ていることもありますし、この映画自体が英国、それにジェントルマンとスパイ映画に対する大きなブラックジョークだと感じているので良しとしました。

そして、それに興ずるコリン・ファースの魅力をたっぷり味わうのもこの映画の一つの見方でしょう。ダニエル・クレイグではああは行かない、着こなしと身のこなし、ユーモアとチャームで立ち回ってくれます。それだけに最後まで出張ってほしかった!道半ばで彼が斃れてしまったのは残念。加えて残念なのは彼を引き継ぐエグジーを演じるタロン・エガートン。初見の俳優さんなのですが、あんましパッとしないんですよねえ。バシッとスーツで登場しても、うーん決まらない…アクションは良いのですがぼく好みではありませんでした。

それに引き替え脇を固めたサミュエル・L・ジャクソンとカンガルー足のソフィア・ブテラはキャラ立ちしてて最高でした。サミュエル・L・ジャクソンはいつにも増しておかしな滑舌で喋ってましたし、アディダスのファッションショーよろしく衣装が決まってました。ソフィア・ブテラもユニークで山本英夫の傑作『殺し屋1』を彷彿とさせましたね。

ラストもスウェーデンの王女様の際どいご所望でこれでもかと下品に攻めてましたね。クロージングを務めるマーク・ストロングも始終良い味をだして映画を引き締めていました。と、言うわけで機上での第一印象とは異なり、退屈せず肩の力を抜いて楽しめる娯楽作品にばっちりと仕上がっていて、改めて劇場に足を運んで正解でした。では、晩餐にビッグマックを頂いてきます。

“氏より育ち”“行儀作法が人を作る”
スティングの『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』の歌詞にも引用されていましたね。